想い
会染窯代表の陶芸家、篠田明子です。
私は父も祖父も曽祖父も陶芸家という家に生まれました。
母方の祖父も叔父たちも陶芸家です。
兄たちもいとこやその旦那さんまで陶芸家という陶芸一族です。
母方の祖父は染付けの技法の人間国宝でした。
私は高校2年生の時、父の作陶30周年の記念展を観て、自分のやった仕事が形として残る仕事をしたいと思いました。18歳で父に弟子入りしました。
「自分でできるようにならなければ、できるようにはならない」と言われ、父の制作過程を見よう見まねで身に着ける日々でした。なかなかうまくいきませんでした。
来る日も来る日もろくろで形を作ってはつぶす日々。良いものが少しずつ貯まると次は絵付けです。50個ほどのぐい飲みに全てちがう絵付けをする。
「具象的でも抽象的でもデザインであっても構わない。
考えることが勉強」と言われ、一生懸命頭をひねったものでした。その作品はまだ取ってあります。
自分の経験から生まれた作品が今の私を支えています。
さて、制作過程はどうかと言いますと、磁器土でろくろ挽きをしています。白磁に藍色の顔料で身近な野の草花を描いています。染付けという技法です。
もう一つは艶消しの白磁に、釉裏紅(ゆうりこう)と呼ばれる渋い紅色で幾何学模様を描いています。
お客様に使っていただくことを念頭に置いて制作しています。
実際にお使いいただいているお客様の声です。
*今まで使ったものの中で一番口当たりが良かった。
*お客様用にと銘々皿を買い求めたので、試しに使ってみたところ、あまりの使い勝手の良さに普段使いにしてしまいました。
やはり日常的に使い勝手の良いものを使いたいので…
*毎朝出勤前にひまわりの絵付けのカップでコーヒーを飲み、「今日もがんばるぞ‼」と気合が入ります。
*食器棚の中にあっても存在感があって眺めて楽しんでいます。
*会染窯の花入れはとても活けやすい。重さもしっかりあるので枝ものを横に出しても倒れないので使いやすい。
などなど嬉しいお声を頂戴しています。
白磁ですので床の間などの暗い場所でも存在感があります。
公募展に出品するために制作する大作も、全面に模様が入っていますので、いいなと思った模様を出して戴くことで、ちがった印象を受けます。
人気のある食器類は電子レンジ、食洗機に対応しています。
カップに飲み物を入れたまま温められます。作家ものだからと言って特別扱いすることなく洗って戴けます。
また、茶渋がついても漂白できますので、いつまでも真っ白なままお使いになれます。
全ての工程を一人の作家が手作りしていますので、二つとして同じものはありません。
まさに世界に一つしかない作品です。
その他に帯留め、ブローチ、ペンダント、ピアスなども制作しています。
こちらも磁器製です。カジュアルな服装にピッタリなアクセサリーです。
Tシャツやバッグに付けたりと楽しんでいただけます。
とにかく実際に使っていただくことにこだわって制作しています。
眺めてよし使ってよし心地よいをモットーに…
たくさんのお宅で私の知らないところで、自分の作品が重宝されている。
想像を超えた喜びがそこにはあります。
陶芸 篠田 明子
略歴
- 1962年
- 松本市に生まれる。
- 1981年
- 松本深志高校卒業後、父・篠田 義一に師事、陶芸を志す。
- 1986年
- 長野県工芸秀作展初出品入選(以後10回)
- 1987年
-
伝統工芸新作展初出品入選(以後6回)
朝日陶芸展初出品・新人陶芸賞受賞
女流陶芸展初出品入選(以後6回)
- 1988年
- 朝日陶芸展入選(以後5回)
- 1989年
- 金沢工芸大賞コンペティション入選(以後3回)
- 1991年
- 朝日陶芸展新人奨励賞受賞
- 1992年
- 長野県工芸展奨励賞受賞
- 1993年
- 陶芸ビエンナーレ展入選
- 1996年
-
池田町に「会染窯」築窯
ながの東急シェルシェにて父子4人展
- 1999年
-
松本井上百貨店にて父子4人展
池袋西武百貨店にて父子4人展
- 2002年
- 伊那市はら美術にて陶作20周年個展
- 2004年
- 長野県工芸展入選(以後7回)
- 2008年
- 伊那市はら美術にて個展